【感覚教育⑥】2歳半くらい~感覚教具を使った、感覚教育の目的

③『感覚教育』

ここまで、感覚教育の背景にある、子どもの姿についてお話してきました。
「感覚の敏感期」や「知性の芽生え」など、感覚教具に触れる以前からの子どもの姿、興味や発達があるからこそ、感覚教具を使った感覚教育を行うことができます。今回は、感覚教具を使った感覚教育の目的をお伝えします。主に、感覚教具を扱う年齢、2歳半~6歳の子どもを対象とした目的です。

感覚教育の目的

感覚教育の目的は、以下の3点となります。
1.感覚器官の洗練
2.感覚体験の整理
3.物事を考える方法の獲得

そして、この感覚教育の目的を語るうえで大事な子どもの姿が、ここまでの投稿でお話ししてきた内容になります。まだ読んでない方は、ぜひ開いてみてください♪

【感覚教育①】感覚の敏感期の始まり
【感覚教育②】感覚の敏感期2つの側面『意識の芽生え』
【感覚教育③】0.1.2歳児 戸外活動に感覚教育をプラス ※これはおまけ
【感覚教育④】1歳半~同じがわかる!『知性の芽生え』
【感覚教育⑤】ものごとを考える方法の獲得『操作方法 P・G・S』

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1.感覚器官の洗練

『感覚の敏感期』にいる子どもが、よりよく感覚器官を働かせることができるようになることが、感覚器官の洗練です。感覚器官とは、目・耳・手・口・鼻のこと。感覚の敏感期にいる子どもは、この感覚器官を通して感覚を刺激されることに興味を持ちます。

感覚は、私たちが生きていくうえで大事な情報源です。人間の運動(行動)の出発点は、感覚器官でキャッチした情報です。例えば、目の前に水の入ったコップがあることを感覚器官である目で見るから、手を伸ばして飲むことができます。このように日常的に感覚器官によって情報をキャッチして、ものごとを判断しながら生活しています。ですから、感覚器官がよりよく情報をキャッチできるようになるといいですよね。

そのために感覚教具には『性質の孤立化』という特徴があります。詳しくは次回お話しますが、視覚の教具なら目だけを刺激するというように、感覚器官の一つ一つを刺激できるように繊細に作られているのです。

2.感覚体験の整理

感覚の敏感期は“吸収する精神”の時期と“意識の芽生え”の時期があります。吸収する精神の時期には、それが何かわからないながら、あらゆる体験を通して感覚印象を蓄積していきます。そして、意識の芽生えの段階になった時に、ようやく感覚教具の出番です!それまで蓄積してきた感覚体験や印象を、教具を扱うことで整理していきます。

ハイハイを始めたくらいの子が、部屋の中から“転がるもの”だけを選んで転がし、それを追いかけてハイハイしていました。彼は無意識に“転がるもの”を選んでいたのですが、この彼が幼児さんになって“幾何学立体”という10個の立体を見たり触ったりすることで、立体の違いを知る教具に触れた時、「転がるものを球体、転がらないものを立方体という」ことを知る。
これが、感覚体験の整理です。

また、感覚教具は『抽象的な概念が具体化されている』という特徴もあるので、最終的には感覚体験を抽象的な概念のレベルまで高められるように援助しています。簡単に言うと、最も抽象度の高い、“ことば”を聞いただけでイメージできるようになるということです。

3.ものを考える方法の獲得

【感覚教育⑤】でお話した通り、感覚教具に含まれている操作方法【P=ペアリング】【G=グレーディング】【S=ソーティング】が、ものごとを考える方法の獲得を助けてくれます。

「ものを考える方法」とは、感覚器官でキャッチした情報を分析して考えるということ。この方法は、感覚教育以降もずっと使われていきます。

まとめ

感覚教具を使った、感覚教育の目的についてお話してきました。この3つの感覚教育の目的が、感覚教具に出会う前とそれ以降の育ちを繋げています。

次回は、それを可能にする感覚教具の特徴をお話します。

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