モンテッソーリほいくのたねでは、保育施設の「モンテッソーリ教育実践支援」「保育施設のマネジメント」「人材育成」をお手伝いしております。
前回に引き続き、東京都内にある、2歳児さんから年長さんまでの子どもが通う保育施設での実践事例を紹介します。マネジメントスタートから半年間の実践事例はこちらをご覧ください。
➡ 【マネジメント導入事例】まずは働きやすい職場づくりから(6か月のフルサポート)
第2シーズンの目標は「保育の質を担保する」
第1シーズンは「働きやすい職場の土台を作ること」を目標にしました。子どもたちのために気持ち良く働いてもらうには、まずは“大人が過ごしやすい環境を作のことが大事”というのが持論でして笑。大人のロッカーや教材庫、事務所の整理整頓やお掃除から始め、掃除担当を明確に(掃除を仕組化)しました。また、昼礼や会議の仕組みを作ることで、情報共有が上手くいっていなかったせいで起きていたトラブルの軽減を目指しました。仕組みの定着は、保育の質を一定にすることにも効果があります。例えばの話、子どものトイレを掃除する人が決まっていなかったとしたら、やる日とやらない日ができて、トイレの美しさは一定でなくなりますよね。そうすると、子どもの生活環境が一定でないことになるわけです。(伝わるかな?)
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第2シーズンでは、これらの仕組みが定着するように日々一緒に行ってきました。何かの仕組みが定着すると、また新たな課題が見つかって、仕組みを見直したり新たな仕組みを考えます。そうやってくり返しながら、保育の質を一定にする、担保することに努めてきました。「仕組み」とうるさく言っていると、“そんなにルールで縛らないで!臨機応変で良くない?”と思う方もいるかもしれません。でもね、臨機応変にできる人ばかりとは限らないのです。まずはそこで働く人たちの判断基準を同じにする必要がある。そのための仕組みづくりで、仕組みがあるからこそ、その通りにしないその場に合った対応である臨機応変ができるのです。
具体的な実践内容
①昼礼(職員の動き、役割、流れ、仕組みの定着)
毎日行う昼礼では、翌日の保育内容の確認と職員の動きや役割の確認、情報共有を目的としています。シフトボードというものを作り、どの先生がどこのポジションに入るか、休憩時間や作業時間なども明確にし、自分と他の先生の一日の動きがわかるようになっています。昼礼に出る先生もローテーションすることで、それぞれの先生が人の動きを意識するようにもなりました。保育の準備も“当日の朝”ということがなくなり、保育の質にも繋がります。
②各種会議(課題発見、課題解決、認識合わせ)
会議の仕組みを運用するために、基本的には全ての会議に参加してファシリテートと議事録の作成を行ってきました。議題作りと進行は先生方にチャレンジしてもらいながら、意見を求めたり、合意を取ったり、仕組みを決めるような場面でサポートしています。また、保育の質を担保するという意味では、子どもへの関わり方や捉え方という部分では指導の要素も持ちながらお話しています。
モンテッソーリ教育の実践
モンテッソーリ教育を導入している園ですので、『保育の質を向上し、子どもたちにとってより良い環境を作る』という目標の元、おしごとにも力を入れてきました。異年齢児保育(縦割り)をスタートしたこともあり、3~5歳児が過ごす環境作りとそれぞれの子どもの敏感期や興味に合ったおしごとを提案できるよう、モンテッソーリ教育の資格を取得している先生と奮闘。その甲斐あって、子どもたちのおしごとの様子が変わり、逸脱の姿もだいぶ減って、この1年でぐんっと良くなったな~と感じています。
おしごとの様子は、Instagram「ゆかり先生のおしごと日記」をぜひご覧ください♬
支援に入って1年3か月
昼礼や会議の仕組みが定着し、先生たちだけで運用できるようになりました。会議は時間ピッタリにスタートできることが増え、先生方自身が会議というものに価値を感じてくれているようで嬉しく思っています。
さぁ、保育の質が担保できてきたら、いよいよ『保育の質向上』が目標になってきます。保育の内容や子ども一人一人に合った対応、環境作り(おしごとの提案)が課題です。この4月からは、“子どもの見方”という部分に力を入れてみよう!ということで、クラス会議の内容も変更して挑戦していくことになりました。
私の好きなモンテッソーリの言葉で「子どもが先生」というのがあるのですが、マネジメント、人材育成については「先生方が先生」だなといつも思っています。1年以上の関わりの中で、多くのことを学ばせていただきました。ここまで、多くの変化を受け入れてくれた先生方に感謝です。まだサポートは続きますが、これからは一人一人が、この園で働けることが喜びになり、よりその園らしい保育を子どもたちに提供していって欲しいなと願っています。
マネジメント、人材育成のご相談
何度言っても改善できない課題がある、保育士さんたちから不満の声が聞こえる・・・そんな時はお気軽にご相談ください。管理職の方々からのヒアリングで感じている課題を把握した上で、必要であれば現場の先生方と面談をします。第三者(外部)だからこそ言いやすいことってあるんですよね。お話する中で、情報収集をしたり、想いや考えを現場と運営側の認識の違いなどを発見し、園としての課題を明確にするお手伝いをします。現場に実行部隊がいなければ、改善案の提案だけでなく、実行していくところまでを園の先生方と一緒になって行うこともできます。
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