『この子、楽しんでいますか?うちの子、楽しい時は声を出して笑うんです。』
これは、私がベビーシッターで1歳6ヶ月くらいのお子さんをお預かりした時、隣の部屋でお仕事をしていたお母様が突然やって来て、私に言った言葉です。そして、子どもが好きそうなものをその子の前にボンっと置いて、私に遊ばせ方を教えてくれました、、、笑
私はいつも通りに、その子の興味関心に任せて必要な助けをしながら、いつも通りに遊んでいただけなので、とても驚いてしまったというエピソードです。
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お母様の心境としては、「子どもの笑い声が聞こえない!!楽しくないんじゃないの?ちゃんと遊んでくれてるの?????」といった感じだったようです。
子どもが楽しんでいる姿とは、声を出してケラケラ笑っている姿だと思っていらっしゃったお母様は、心配で仕方がなかったようです。もちろん、それも楽しんでいる姿ではありますが、子どもが興味を持って真剣に何かに向き合っている時だって楽しんでいる姿だと思いませんか?例えば、カーテンが風に揺れるのをじーっと見つめている時や、ひたすらに伝い歩きをしている時だって、十分楽しんでいます。
大人だってそうですよね。今の私のようにブログを書いている時にケラケラ笑ってはいないけど、好きなことをやっている時はとても楽しいと思うし、景色の良いところに行ってぼーっとしている時だって、笑ってなくても楽しいのです。
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このエピソードを思い出したきっかけは、2歳の甥っ子でした。
先日、2歳のお誕生日に“ジスター”という玩具をプレゼントしました。ジスターは13色のカラフルなパーツと同じ色の紐が付いていて、いろいろな遊び方ができる玩具です。2歳の甥っ子には何かを作って遊ぶのはまだ難しいのですが、工夫すれば長い期間遊べるようなものを私が好きなので、これをプレゼントに選びました。
甥っ子くんの興味は電車。なので、細長いものを見ると電車に見立てて床を走らせます。ジスターを細長く組み合わせたものだったり、紐ですら床を走らせていました。
そのうち、私が紐をぎゅっと握って、甥っ子くんが一本ずつ引っ張って抜く遊びをスタート!
続いて、私がジスターで作った「たこ」に、私がひたすら紐を通してそれを抜く遊びにチェンジ!これがとてもハマったようで、声も出さずにひたすらに引っ張り続けていました。私が手を止めると、今度は自分で通してみようと挑戦し始めて、しばらくするうちに自分で通せるようになりました。そこからも黙ってひたすらに手を動かす甥っ子くん。20分くらいかな、笑い声は一切なし。でも、彼は十分楽しんでいたと思います。
この姿を見ていて、そういえば以前「うちの子、楽しい時は笑うんです」と言われたことを思い出したというわけです。
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子どもに楽しんで過ごしてほしいという気持ちは、シッター先のお母様も私も同じです。ただ、「楽しい時の姿」の認識がちょっと違いました。お母様には、お子さんがどのように過ごしていたかをじっくりとお話して、私が(私の基準でですが)しっかりお子さんと遊んでいることを伝えて安心していただきました。その後、「さっきはすみませんでした。モンテッソーリ教育について教えてください。」と言ってくださいました(^^♪
このお母様に、ちょっとでもお子さんを見る視点が広がったことに感謝でした。
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