初めて提示の面白さを知った日の話~タオル絞りの提示~

初めて提示の面白さを知った日の話~タオル絞りの提示~

モンテッソーリ教育の教師養成講座で、初めて「提示とは何か」を学んだ日。
“やって見せる”教え方のポイントを意識して提示をして見たら、それまでできっこないと思っていたことが、提示を境にできるようになったのです!私がモンテッソーリ教育をきちんと学ぼうと思ったエピソードです。

※「提示とは何か」は、こちらの投稿をご覧ください⇩

口を拭くタオルを用意するのは、子どもの仕事

私が勤めていた保育園では、2歳児のクラスになると身のまわりの様々なことを自分でやるようになります。お家から持ってきた荷物を仕分けたり、食事の用意や片付けも、この時期の子どもができるように環境を用意することで、子どもに任せるようにしています。
その中の一つに、食事の時に使うおしぼりを用意するというお仕事があります。子どもが扱いやすいサイズのタオル(15cm×15cmくらい)をご家庭で用意していただき、それを濡らして絞って、食事中や食後に口や手を拭くために使います。

提示を学ぶ前は・・・

この園では移行というシステムを取り入れていて、2歳のお誕生日を迎えてから、その子の発達や興味に合わせて、年度の途中で一つ上のクラスに異動します。なので、いつでも自分よりちょっぴり年上のお友達がいるので、子どもたちにとってはとても刺激的な環境なのです。

さて、2歳4ヶ月で一つ上のクラスに移行してきたAちゃんは、移行してきてからとっても意欲的に生活していました。すでにそのクラスでの生活が身についている、ちょっと年上のお友達のマネをして、おしぼりの用意もいつの間にか済ませているくらいです。

しかし、Aちゃんがおしぼりを用意して席に着くまでの道のりには、水滴がポタポタポタ・・・。そんな姿を見ても、まだ移行してきたばかりだから(幼いから)できなくても仕方がないと思っていました。Aちゃん自身は、自分でおしぼりを用意できたことに満足しているのですが、ちょっと絞るだけでたっぷりの水が出てきます笑

提示を学んでから観察してみると

「提示とは何か」をはじめて学んだあと、どうしてこんなに絞れていないのかと疑問に思ってAちゃんを観察してみました。すると、おにぎりを握る時のように、タオルを丸めてぎゅっとしていました。私はこれを、“おにぎり絞り”と呼んでいます🍙

分析行動で、動きと言葉を分けて、提示してみた

後日、Aちゃんに提示をしてみました。私なりに動きを分析をして、言葉と動きをできるだけ分けて提示してみました。

①トレーに水を入れる
②タオルを浸して濡らす
③トレーの中で、タオルを四つ折りにする
④手に持って、さらに半分にする
⑤タオルを縦にして、左手が下、右手が上で逆手で握る
⑥内側に絞る※腕を伸ばす
⑦右手を離す
⑧左手で握ったまま、元のポジションに戻す
⑨右手で上を握り、もう一度絞る

提示をしてみると・・・

それまでは、おにぎり絞りをしていたAちゃんが、タオルをたたんで絞れるようになったのです。力の加減で、相変わらずポタポタしていることはありましたが、絞り方は確実に変わりました。

私の関わり方一つで子どもの姿が変わる!という事実を目の当たりにし、提示の面白さを知りました。なにか教具を作って用意したわけではありません。日常生活の中で、“やって見せる”という教え方を実践しただけです。

おまけ

“動きと言葉を分ける”この大事さもAちゃんが教えてくれました。タオルを絞る時に思わず「ぎゅー」っと言ってしまったのです。すると、Aちゃんと目がばっちり合って、心の中で「しまったー!」と思いました。私が「ぎゅー」っといった時、子どもの視線は私が見て欲しい手元ではなく、声を発した私の口に注目していたのです。

動きと言葉を分ける理由は、子どもが“見る”ことに集中できる環境にするためです。そのことを痛感し、動きを見せたい時には声を出さないことを身を持って学びました。Aちゃん、ありがとう!

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