おしごとを強制される気持ちを知った日(モンテッソーリ教師の反省)

2*ゆかりせんせいのコラム

最近は、モンテッソーリ教育を導入している園の組織マネジメントと、モンテッソーリ教育講師のお仕事を中心にやらせていただいています。2歳~6歳までの子ども達が通うこの園では、毎日モンテッソーリ教育のおしごとはもちろん、自分で活動を選べる時間が設定されています。大人の役割である“環境を用意すること”“子ども達と環境を結びつけること”をさせていただき、その中で子どもから学べることも多くあり、現場があるってありがたいなと思います。

ところで、私はよく、あるおしごとに興味を持ってもらいたいときや正しいやり方を見てもらうために、目の前で本気でおしごとをやることがあります。例えば、“ぬりえ”だったら、子ども達と一緒になって筆圧強めに線からはみ出さず、色を工夫しながら真剣に塗ります。

ある日の、年長Eちゃんとのやりとり。
お休み明けには、いつも週末のできごとを事細かに話して聞かせてくれるEちゃんに、以前から「絵日記」を書いてみたらどうかと提案していました。Eちゃんは文章を書くことに興味を持っていたので、ちょうど良いかと思って何度か誘っていましたが「やんな~い」とか「難しい」と言われてしまいます。それならば私がやって見せようと思い、水族館に行った日のことをEちゃんの目の前で書き始めました。あえてゆっくりと声に出しながら、一文字一文字丁寧に書いて見せると、その文字を目で追い、句読点や拗音などもとても興味深そうに見つめ、書き終わると嬉しそうな顔を見せてくれました。集中している姿でした。しかしそこで時間が来てしまい、絵は後で書くことにしていったん終了。

その後、顔を合わせる度に「先生、さっきの絵日記やらないの~」「絵日記まだ終わってないじゃ~ん」「ねぇ、絵日記いつやるの~?」と言われ・・・

私の心の声「今は他のことをやらなきゃいけない(あっちを先にやりたい)からできない」「後でやるって言ってるのにしつこいな~」と思った後、あれ???もしかしていつも私がEちゃんに言っていることと同じことを言われてる?言われた時ってこんな気持ちなのか!?と気づかされました。

特にEちゃんは興味関心が広く、新しいおしごとにどんどん挑戦するタイプ。新しいことを見つけると、さっきまでやっていたおしごとがどうでもよくなってしまうので、「Eちゃん、あのおしごと途中だよ」「いつやるの?」とよく声をかけていました。その度に「後で!」とか「もう終わりにする」と言って、中途半端な作品になったりするのです。それを見て、なんだか残念な気持ちになっていましたが、確かに今そのおしごとやりなさいと、強制されるような言い方されたら嫌だよな~と、子どもの気持ちがちょっとだけわかりました。

数日後、「絵日記の続きやらなくちゃ~」とつぶやいてみたのですが、もうとっくに興味をなくしていて・・・今思えば、“文章を書くこと”や“絵日記”に興味を持っていたから最後まで完成するのを見たかったのかなと思いました。あぁ、そのEちゃんの敏感期にも合わせてあげられなかったのかと猛省・・・

「子どもが先生」が私の好きな言葉。毎日子どもと活動していると、いろいろなことが起きますが、その度に子どもではなく自分に原因があるのかもしれないと考えるようにしています。日々、子ども達から教えてもらえることに感謝ですね♪

ほいくのたねの研修は、オーダーメイドです!

先日、「大人の役割」をテーマにした研修の後、日々の保育を振り返るワークを実施しました。自分の子どもへの対応は合っていたのかな?こういう時はどう関わったら良いのかな?という会話が自然と生まれ、園の先生たちが活発に議論でき、とても良い時間となりました。

ご依頼いただく際は、必ず1時間程度のヒアリングをしています。今、園で困っていることや、依頼主、園長先生の想いを受け取って、先生方に最善の研修をできるように考えています。つまり、ほいくのたねの研修はオーダーメイド♬モンテッソーリ教育についてはもちろん、人材育成やクラス運営(会議)など、幅広く対応しております。お気軽にお声がけください。

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