乳児期(0~3歳)に現れる『敏感期』

①『実践理論』モンテッソーリ教育とは?

乳児期(0~3歳)の間に現れる敏感期は、産まれたこの世界で、人間として生きていくために必要な力に対して現れます。その力は、獲得して以降一生使い続ける力です。

敏感期を知ると、子どもの不可思議な行動の理由がわかってきて、それまでより子どもと一緒にいることが楽しくなりますよ♪

言語の敏感期

言語の敏感期は、音声を媒介とした「話しことばの敏感期」と文字を媒介とした「書きことば(文字に対する)の敏感期」の二つがあります。乳児期は「話しことばの敏感期」が中心です。

「話しことばの敏感期」は、胎児期7ヶ月に聴覚が動き始めた頃から始まります。特別訓練したり教え込まなくてもおしゃべりができるようになるのは、この敏感期のおかげです。大人との会話が成立する3歳前後まで続きます。

🌼子どもの姿

・話している人の口元をじーっと見つめる。時には、口に手を入れようとする。
・大人の問いかけに、声や喃語で応える
・「これは??」と指差しして、名称を言ってもらうのを楽しむ。
・大人が言ったことばを真似して言ってみようとする   など

このように、おしゃべりをする前からたくさんの言葉を無意識に溜めこんでいます。よく、「言葉のシャワーを浴びせましょう」と言いますが、まさにこの時期に必要なのは、子どもの要求に応じて言葉を話してくれる人の存在です。子どもが求めた時には、口元を見せるつもりで、ゆっくりと発音してあげましょう。

秩序の敏感期

もっとも大人が理解しがたい敏感期と言えます。6ヶ月頃から始まり、3歳前後まで続きます。特に強烈に現れるのが2歳前後で、ちょうど一般的に“イヤイヤ期”と呼ばれてしまう時期と重なります。つまり、イヤイヤ期と呼ばれる一つの理由が、この秩序の敏感期なのです。

🌼子どもの姿

・いつも通る道と違うルートで帰宅しようとしたら、大泣きされて元の道へ・・・「いつも同じ道順がいいの!」
・お風呂に入る時、ママとはいつもご機嫌なのにパパだと嫌がって大変!理由はママはいつも頭から洗うのに、パパだと体から・・・「順番が同じじゃなきゃ嫌なの!」
・家では盛んに動き回るのに、初めて行く場所では全く動かない・・・「だって、ここがどこだかわからにもん!」

秩序の敏感期にいる子どもは、順番ややりかた、ものの場所などに強いこだわりを見せます。大人からすると「いいじゃん、今日くらい」とか「わがまま言わないで」と思うこともあるかもしれません。しかしこれは、誕生した社会に適応するために必要な姿なのです。子どもはいつでも自分がいる世界を知りたいと思っています。そのためには「いつも同じ」がとても重要なのです。

大人も初めて行くスーパーで買い物をする時に、どこに何がるのかわからないと無駄に動き回ったり、初めて行く職場で物の場所や人の顔を覚えるまでは不安だったりしますよね。子どもも常にそのような世界にいると思ってください。

運動の敏感期

運動というのは、鉄棒などの体育的なことではなく、歩く、握る、折るなど、生活する上で必要になるさまざまな動きのことを言います。
運動には、歩行完了までの大きな体の動きである「粗大運動」と手や腕の動きである「微細運動」があります。

🌼子どもの姿

・何度転んでも、つかまれるものを見つけて立ち上がろうとする
・箱ティッシュの中身がなくなるまで出したり、カゴの中身を全部取り出す
・隙間にものを入れる

運動の敏感期は、大人からすると「いたずら」と認識されてしまうこともありますが、行動として現れるのでわかりやすく、環境も用意しやすいのが特徴です。0~3歳の子どもは「吸収する精神(無意識的学習)」の時期にいます。とにかくたくさん動いて、たくさんの動きを獲得するのがこの時期です。

感覚の敏感期

感覚とは、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚、つまり五感のことです。私たち人間は、この五感をフル活用して情報を得ていますから、
感覚の敏感期は、この五感を刺激する者に対して強い興味を示します。

🌼子どもの姿

・風に揺れるカーテンをじーっと見つめる
・お気に入りのタオルやぬいぐるみの匂いをいつも嗅いでいる
・お散歩の時に、コンクリートの壁を触りながら歩いて手が白くなる

運動の敏感期でもお伝えしたように、0~3歳の子どもは「吸収する精神(無意識的学習)」の時期にいます。それが何なのかわからないけど、聞いた音や食べたものの味、触ったものの感触などを無意識に感覚的な印象として溜め込んでいます。
私たちはこの五感を使ってさまざまな情報を得て、それをもとに行動を決めたり考えたりしてます。感覚の敏感期はその基盤となる大事な時期です。

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次は、幼児期(3~6歳)に現れる敏感期についてお話します。

コメント

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