敏感期を背景とした、モンテッソーリ教育の五分野

敏感期を背景とした、モンテッソーリ教育の五分野

0歳から6歳までに現れる敏感期をご紹介してきました。

○言語の敏感期
○秩序の敏感期 
○運動の敏感期
○感覚の敏感期
○数の敏感期
○文化の敏感期
○礼儀と作法の敏感期

モンテッソーリ教育では、それぞれの敏感期を背景として、五つの分野の活動を用意しています。

モンテッソーリ教育の5分野
日常生活の練習
/さまざまな動き(運動)の獲得

運動の敏感期を背景とした分野です。
日常生活の練習の目的は、『運動の完成』です。
さまざまな動きを獲得し、その動きを自分の意志通りに行うことができるようになることを目的としています。自分の意志通りに動く体を獲得すると、できることが増えます。できることが増えると、自立に向かっていきますね。日常生活の練習という名前の通り、一日の生活の中で必要な動きを活動としています。
鼻をかむことや机を拭くこと、野菜の皮むきや花の水きりなど、工夫次第でさまざまなことを活動にできるのが面白い分野です。ご家庭でも、ポイントさえつかめば取り入れやすく、一緒に楽しめる分野です♪
(※さまざまな動きの獲得は、日常生活の練習に含まれます。)

自分の意志通りに動く体を持ってこそ、さまざまなものを扱えるようになり、それ以降の学びに必要なものを扱うことができるようになります。

感覚教育

感覚の敏感期を背景とした分野です。
感覚教育の目的は、感覚器官の洗練、感覚体験の整理、ものを考える方法の獲得です。これらの目的を達成できるよう、感覚教育に用いられる感覚教具は、サイズや形、色や重さなども細かく決められています。さらには教具の持ち方や活動の仕方にもすべて意味があります。ですから、提示する大人がそれらの意味をきちんと学んでいることも重要となります。

マリア・モンテッソーリが『感覚教育は全ての教育の基礎である。』と言うように、感覚教育を重要と捉えています。その後の知的教育分野(言語、算数、文化)の学びは、感覚教育を通して獲得した力によって可能となります。

言語教育

言語の敏感期を背景とした分野です。敏感期のところでお話した通り、「話しことばの敏感期」と「書きことば(文字に対する)の敏感期」があります。
言語教育の目的は、母語(日本で育つなら、おそらく日本語ですね)を正確に理解し、母語で表現する能力を養うことです。つまり、ことばを聞いたり話したり、書いたり読んだりすることができるようになることです。
幼児期に読み書きができるようにならなくても・・・という考えの方もいるかもしれませんが、書けるようになりたい!読めるようになりたい!という欲求は自然と現れます。その時に環境が用意されていれば、教え込むことなく、できるようになります。

幼児期以降の学びには、“ことば”が絶対的に必要ですし、何より読み書きができることで活動の幅も広がり、子ども自身の自信にもつながります。

算数教育

数の敏感期を背景とした活動です。結果的には、たす、ひく、かける、わるができるようになるようなプログラムが用意されていますが、決してそれだけが目的ではありません。「算数」ということばから、英才教育のような誤解を生じてしまうことがあるのでお伝えしておきます。
“ことば”と同様に子どもの生活の中に“数や量”はありますので、子どもの内から自然と数や量に対する興味、つまり数の敏感期が現れてきます。幼児期に早いとか必要ではないとか、大人が決めつけるのでなく、あくまでも子どもを観察した結果から伝えていくことが可能であるとしています。手法としては、感覚教育を通して獲得した力をフル活用していますので、自然な流れとして算数教育が位置付けられています。

文化教育

文化の敏感期に対応するための分野です。幼児期には、成長に応じてことばや数以外の、あらゆることに対して興味関心が現れます。それらすべてのものを対象としているのが、文化教育です。宇宙にある全てのものが文化教育で伝えていく対象となりますので、生物、地理、地学、歴史、音楽など幅広くカバーしています。いろいろなことを知ることで、子どもの視野や物の見方が広がり、多角的に見ることができるようになっていきます。

「りんご」という果物を知る時には、感覚的に触って匂いを嗅いで味わって、文字によってりんごにはさまざまな種類があることを知ったり、その味を文字で記したりする、さらには重さを計ってみたり、生産量を数字で比べたりする・・・
というように、文化教育では、他4分野で獲得した力を全て使って学んでいきます。

まとめ

モンテッソーリ教育の5分野をご紹介しました。
全ての背景に敏感期がありますから、敏感期の現れに応じて五つの分野を取り入れていきましょう。

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