「興味の中心」がどこであるか~2歳児のハンマーで叩くおしごと~

ハンマートイ 2*ゆかりせんせいのコラム

今回は、Sくん(2歳児)の様子をご紹介します。
ある日のSくんの活動の2/3は、お友達のおしごとを見ることでした☆

その興味の対象は「ハンマーで叩く」おしごとです。このおしごとは、どちらかと言うと1歳児さん(1歳6ヶ月くらい)向けで、何かを持って「叩く」ことが面白い時期におすすめするものです。
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トンカチで叩く 上

おしごとの時間がスタートした直後、Sくんは私が提示したおしごとを誰よりも最初に選んで取り組み、とても満足そうにしていました。そのおしごとを片付けた後、次を選んでいる時に聞こえてきたのは“トントントン”という音。それに魅かれて、お友達がやっている傍に行ってじーっと見ていました。

自分がやりたい!から終わるのを待っているという様子ではなく、とにかくじーっと見ていました。お友達がこのおしごとを終えると、少し触って見てからその場を離れて、また別のおしごとに取り組んでいました。そして、また別のお友達がトンカチを始めると、近くに行って観察し始めました。

そして、うつ伏せになってお友達がハンマーで叩いているのを見始めたのです!
私は、面白くなって同じ位置から一緒に見てみました。
それが、こちらの写真⇩⇩⇩

トンカチで叩く 下

Sくんが魅力的に見えていたのは、ハンマーで叩くと杭が下から出てくるところでした笑

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モンテッソーリ教育では、おしごとのやり方や身の回りのさまざまな動きを教える時に「提示」という方法を使います。簡単に言うと“して見せる”という教え方なのですが、そのポイントの一つに「興味の中心が何であるか知って行う」というものがあります。どの部分を面白いと感じるのかを考えて見せることで、その提示が魅力的になり、子どもがやってみたいと思う動機になるからです。

このハンマーのおしごとは、1歳児さんでしたら、ハンマーで叩くと杭がなくなっていくのが興味の中心かなと思います。それが2歳児さんになると、下から杭が出てくる部分が興味の中心になるとは!私も驚きました。“物事がどのような仕組みになっているのか”に興味を示すようになったんだなと感動したエピソードでした。

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「興味の中心」は、月齢によっても子ども一人ひとりによっても違うということを改めて教えてもらいました。一度提示して興味を示さないと「この子はこのおしごとに興味ないんだな」と思いがちですが、見せ方を少し変えたら興味を持つかもしれないし、少し時期をずらして見せたらやりたくなるかもしれない。

大人の役割は、環境と子どもを結びつけることです。視線を子どもに合わせて興味の中心を知り、もっと魅力的な提示で子どもにおしごとを紹介できるようになりたいですね♪

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