今回は、文字を書けるようになった子が、もっと書くのが楽しくなるような、単語や文章を読むことを楽しめるような活動を紹介したいと思います。
言語教育の系統図 ~“読む”とは、その意味を理解してこそ~
今回は、『書きことばー読み方』の部分になります。
モンテッソーリ教育では、ひらがな1文字1文字を発音できる(『あ』という文字を「あ」を発音する)ことを“読む”とは言いません。“読む”とは、その言葉が表す意味まで理解して初めて“読む”ということになるのです。例えば、「りんご」という単語を「り・ん・ご」と発音できるだけでなく、それが「赤くて甘い果物」とイメージできて初めて“読めた”と言うのです。
だから、読み方は「単語を読む」からスタートしています。単純に、単語や短文が書かれたカード等を読むのではなく、「感覚に訴えて動きを伴った活動」という幼児期の学び方を活かし、さまざまな方法で単語や文を読むことに親しめるようになっています。
●小さいバスケット(お部屋にあるものの名前)
「単語を読む」ことを目的とした活動です。
▷小さいバスケット(1):“持ってこられる物”、例えば【えんぴつ】と大人が紙に書きます。子どもは書いてある単語を読んでから、鉛筆を持ってきます。持ってきたものの名前と書いてある単語を読んで同じだったらクリア!です。
▷小さいバスケット(2):“持って来られない物”、例えば【まど】と紙に書きます。子どもが読んだら、「持って来られる?」と尋ね、持って来られないことに気が付いたら、窓まで行ってテープで紙を貼るように伝えます。
子どもが過ごすお部屋にある物全てに名前があり、物には持ってこられる物と持ってこられない物があることを知ります。次第に難しいものにすると、ゲーム感覚で取り組めて面白い活動です。
●赤いカード遊び(動詞を使った遊び)
「短文を読む」ことを目的とした活動です。
赤は、モンテッソーリ教育では動詞を表わす色なので、赤いカード遊びと呼んでいます。
▷赤いカード遊び(1):かごの中に動詞【笑う】【立つ】【座る】を書いた紙が5~6枚入っています。文字が見えないように、三つ折りにしてくじ引きのようにして入れておきます。
▷赤いカード遊び(2):写真のように短い文が書いてあります。【椅子に座る】→【椅子に座って手を叩く】→【椅子に座って手を叩いて笑う】というように、動作の数を増やして難易度を上げることができます。
5~6人で座り、カゴの中からカードを一つずつ取り、声に出さずに読みます。一人目から「はじめます」と言って、カードに書いてある動作を行い、他の子がカードに何と書いてあるかを当てるゲームです。こちらもグループでできるので、お友達と楽しめる活動です。
●絵本を読む(1.2歳の時に好きだった本を幼児クラスにも)
「文章を読む」ことが目的ですが、絵本を読むことは決して特別なことではないですよね。ここでポイントなのが絵本選び。以前は、写真と単語だけで作られた絵本や、カブトムシの成長を正しい日本語で書いた絵本を作っていました。しかし、今はベビー用の絵本もたくさん出ているので、あえて作らなくても良いかと思います。選ぶポイントは、“短い文章で、最後まで読める文章量の絵本”です。幼児クラスでも、1.2歳児のときに好きだった絵本を置いてあげると良いと思います!
●その他
ことばに関する活動は、モンテッソーリ教育に限らずたくさんありますので、ちょっと出し方を工夫してお部屋に置いておき、子どもが取り組みたい時に手に取れるようにしておきましょう。
①巻きしりとり
3㎝×12㎝くらいの紙に、しりとりを書いていく活動です。幼児さんって、自分との戦いに燃える時期でもあるので、たくさん繋げて長くしたい!と燃える子が年に1.2名います笑。トップの写真も「しりとり」の活動です。
②反対ことばカード
よくある反対ことばカードですが、【おおきい/ちいさい】【みぎて/ひだりて】【おす/ひく】というように、形容詞、名詞、動詞を分けてあげることで、文法の学びに繋がります。カードを並べるだけでなく、紙に書いたり、動作で表現すると、より学びが深まります。
③かるた
お正月だからではなく、年中無休でかるたは人気です。文章が短いので、「読む」ことをたくさんしたい子におすすめの活動です。
まとめ
保育に取り入れやすい、ことばの活動を紹介してきましたがいかがだったでしょうか?モンテッソーリ教育の教具でなくてもできることはたくさんありますので、ぜひ気軽に取り入れ欲しいなと思います。
何かわからないことがあれば、お気軽にお問い合わせください♪
次回は、言語教育の特徴についてお伝えします。
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