【算数教育②】算数教育は0歳からスタート!生活の中にある、数や量の経験をたくさんしよう!

算数教育 ⑤『算数教育』

【算数教育①】では、なぜモンテッソーリ教育に算数教育があるのかをお話しました。今回は、その理由の一つ“子どもの周りには算数教育の元となる数や量が溢れている”という部分を深堀していきたいと思います。タイトルにあるように、実際に算数教具を使って活動をするよりもずっと前から算数教育の準備は始まっています。写真のように、色鉛筆を束ねて持つこの手、まさに量の経験をしているところなんですよ♪

生れた時から子どもの周りにある、数や量

この世に誕生した赤ちゃんが、最初に出会う量はどんな場面だと思いますか??
私は、“ミルクを飲ませてもらっている時”だと思うんです。みなさんは、ミルクを飲んでいる時の赤ちゃんにどんな声をかけますか?「いっぱい飲んでね」「まだあるよ」「もういらない?」なんて優しく声を掛けますよね。おそらくこれが最初に出会う“量”じゃないかな?
もう少し大きくなったら、食事の場面で「もっといっぱい入れて」「今日のおやつは何個?」「大きいのがいいな」とか、見たものを「おっきいね!」「長いね~」と感じたりすることも、“量”の経験。「何時にお迎え来るの?」とか「今日は○月〇日です」、「○歳になりました」などの時計やカレンダー、年齢なども日常の中で何度も使う“数”の経験です。

言語教育で言えば、誕生後に身近にいる人が話す「ことば」を無意識に吸収しているように、算数教育のもととなる“数や量”も誕生後から身近にあって、無意識に吸収しているというわけです。

おしごとの中でも量を感じています

0~2歳児さんのおしごとを観察していると、「量を感じているんだな~」という場面があります。一掴みでどれだけたくさんのカメを握れるのかに挑戦していたり、楊枝落としの楊枝を必ず手に握って「いっぱ~い」と言ってから、穴に入れている子。ひも通しが完成すると「なが~い」という言葉が聞こえてきたりしますよね。それが量の経験だとは子ども自身は知りません。でも、カメ1個より10個の方が、手を大きく広げて掴まなくてはいけないという感覚的な経験により、「いっぱい」「少ない」を感じているのです。
このように、生活の中で無意識に量を感じている、量の経験しているんだと大人が知っていることで、「なんで手に持ってるの?」とか「一個ずつ持ってね」と言わなくても良くなります。また、日常生活の練習のおしごと(食具のおしごとや、落とす入れる)でも、ビーズを色分けする時に同じ数にしたり、数字を書いたりするなど、数や量を意識してセッティングすることで、数量経験を豊かにするお手伝いができますよ。

量の経験としての感覚教具

生活の中で、数や量の経験をした上で大事になってくるのが「感覚教具」を使った活動です。
感覚教育の目的の一つに、感覚体験を整理するという目的があります。生活の中で感じた「大きい・小さい」「長い・短い」などの感覚印象を、感覚教具に取り組むことで整理していきます。さらに、感覚教具には「数値化されない量(感覚的な量)」から「数値化された量」へとつなげる役割があって、なんとなく「長い・短い」と感じていたものを、算数教具によってこれは“10”だから長い、これは“1”だから短いというように、数値化していくのです。

ここでは、感覚教具の“長さの棒”と算数教具の“算数棒”を紹介します。この二つ、実は全く同じ形、同じサイズで作られているのですが、色だけが違います。“長さの棒”は、長さの違いだけを感じられるように赤一色に塗られていて、“算数棒”は、1(10㎝)ごとに赤と青の交互に塗られています。長さの棒で十分に活動してきた子は、体を使って長い短いを十分感じているので、そこに数値を与えていきます。「数値化されない量」から「数値化された量」、まさに感覚教育と算数教育を橋渡ししてくれています。

茶色の階段と錘形棒

もう一つ、感覚教具の“茶色の階段”は「太さ」を感じる教具です。時に太いと握った時に細いという経験は、算数の“錘形棒”に結びつきます。“錘形棒”は、棒を握ることで数が大きくなっていくことを感じることができるおしごとです。10だから太い、1だから細いというように、それまで感じてきた太い、細いを数値化してくれます。

大人が知っていることが、子どもの経験を豊かにできる

感覚教具に触れていなければ、算数教育をやってはいけないということではありませんが、感覚教具をたくさん触れば触るほど、算数教育の土台が作られていくのです。だから、私としてはたくさん触って欲しいです☻この重要さに気づいてから、より子どもの活動を見守ることができるようになってきました。以前だったら、こんな使い方してたら止めたけど・・・最低限、持ち方が正しければ経験になると思って見守っています。
日常生活をしているだけでも、数や量の経験は積まれてきます。その経験を豊かにすることは私たちにできることの一つです。だから、算数教育は幼児クラスから!ではなく、0~2歳児さんでも意識してしてそのきっかけを作っていってほしいなと思います。

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