【運動論④】微細運動の発達~上手に手が使えるようになるまで~

【運動論④】微細運動の発達~上手に手が使えるようになるまで~

【運動論③】大きな体の動きである『粗大運動(そだいうんどう)』に続いて、今回は随意運動の一つである『微細運動(びさいうんどう)』についてお話していきます。

※【運動論③】はこちらから→ https://montessori-hoikunotane.com/undou3_sodaiundou/

微細運動とは

手指を使った細かい動きのことを言います。言葉にすると「握る」「つまむ」「叩く」「押す」などです。お座りが上手にできるようになると、それまで体を支えるのに必要だった手が自由に使えるようになりますね。子ども自身も「手を使う時が来た!」とわかっているので、片っ端から触って、握ったものを口に入れてみたり床に打ち付けたりするようになります。だいたい2歳くらいになると、日常生活で使うあらゆる手の動きができるようになっていきます。

微細運動のはじまり

微細運動の最初の一歩は、自分が欲しいもの(興味を持ったもの)に手を伸ばすことです。4.5ヶ月くらいでしょうか、近くに来た大人の顔や手、モビールや玩具など目で捉えられたものに手を伸ばしてくるようになります。始めはエイッ!と触れるような感じですが、触れただけでも一歩前進!そんなチャレンジを静かにくり返しているのです。そのうち、手を伸ばしてからグーパーして、掴もうとするようになっていきます。そして、掴んだものを思い通りに手放すことができるようになると、ようやく微細運動としての活動のはじまりです。

モンテッソーリ教育のおしごととしてイメージしやすい「落とす」などの活動は、掴んだものを意図した場所で離すことができて初めて可能となります。「自分が意図したものを掴んで離す」これができるようになるまでの間にも、赤ちゃんが懸命にチャレンジしていることがわかると、観察するのが楽しくて仕方がありませんね♪

発達の順序と方向性

微細運動の発達にも、順序と方向性があります。

微細運動の方向性

粗大運動のところでお話したのと同様に、神経細胞の繋がりあい“髄鞘化(ミエリン化)”が関係しています。
微細運動は中心から外へ、肩から指先へと発達していきます。新生児ちゃんを思い浮かべてください、手を動かしている姿は、いつも肩から手まで一直線でバタバタしているようなイメージありませんか?それがだんだんと肘を曲げ伸ばしするようになって、自分のおててを自分の口まで運べるようになります。手首が使えるようになると、ものを握ることもできるようになってきて、最後に手指が繊細に動くようになっていくのです。

手指の発達

手の平全体で握るような状態から、指先だけで小さなものをつまめるようになるまで、10以上の段階があります。それぞれの手の発達に合わせて、十分に手を使えるようなおしごとを用意してあげられると良いですね。(手の発達に合ったおしごとは、また改めてご紹介します。)

手を使い始めた子どもにとって、それに合わせておしごとを用意するのはとても重要なことではありますが、一方で、特別な遊び道具を必要としないというのも、この時期ならでわの姿だと思います。子どもはとにかく手を使いたがっていますから、お部屋にあるリモコンやリュックのチャック、ペン、カギなど、手に触れられるものには何にでも興味を示します。写真のようにコンセントの穴が気になって指先で押すのも微細運動の一つです。ちょっと危ないと感じる場面もあるかと思いますが、そうやって触って手を使いたい!という時期にいることを認めて、できるだけ子どもが何でも触れて良い環境にしてあげられるといいですね。

まとめ

モンテッソーリ教育で0~3歳のことを学ぶまでは、ものを掴めるようになるまで、手放せるようになるまでに赤ちゃんがこんなにたくさん挑戦しているなんて知りませんでした。保育士という仕事をしていながらお恥ずかしい限りですが、これを知っていたら、もっと赤ちゃんと過ごす時間が楽しくなるだけでなく、発達を促す関わり方もできたのに~と、悔やむばかりです。

赤ちゃんと過ごす保育士さんやお母さま方が、これを読んで、少しでも赤ちゃんの尊い挑戦を知ってくだされば嬉しく思います♪