【感覚教育①】“感覚の敏感期”は、お腹の中にいる間に始まっている!?

感覚教育①ほいくのたね ③『感覚教育』

モンテッソーリ教育の5分野の一つ、感覚教育。日常生活の練習(運動)によって獲得した、自由に扱うことのできる自分の体を使い、感覚教育のために作られた“教具”を使って活動します。モンテッソーリ教育の象徴となっている、ピンクタワー(アイコンに使っているピンクのキューブ)や、茶色の階段は、この感覚教育で使う教具です。

感覚教育の背景にあるのは、ご存じの通り『感覚の敏感期』ですね。人間は、様々な感覚を用いて情報を得ることで生活しています。大人はそれが当然すぎて意識してはいないと思いますが、今、みなさんがこのページを見て学んでいるように、目で見ることによって情報を得ているわけです。

ですから、『感覚の敏感期』は、子どもが自分でいろいろなことがわかるようになるために、とっても大事な敏感期です。

では、ここでみなさんに質問です!
『感覚の敏感期は、いつから始まっていると思いますか??』

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『敏感期』について詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください♬
https://montessori-hoikunotane.com/sensitive_period_classroom/
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感覚器官と感覚

『感覚教育』では、「感覚」や「感覚器官」ということばがよく使われますので、まずはことばの確認をしておきましょう!

「感覚(五感)」・・・視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚
「感覚器官」・・・目・皮膚・耳・口・鼻

感覚の敏感期の始まり

『感覚の敏感期』の始まりは、なんと!!!

感覚器官が動き出す胎児期、お腹の中にいるときから始まっているんです!!
産まれ出た環境で生きていくために必要な力を獲得するために、お腹の中にいる時から準備を始めているということです。すごいですよね!!

では、それぞれの感覚の敏感期はいつから始まっているでしょうか。

■触覚
2か月くらいに皮膚ができ、自分の体や胎内の壁に当たって刺激を受ける。

■嗅覚
2か月くらいから機能が始まる。羊水に溶けた母が食べた匂いを記憶して生まれてくると言われています。

■味覚
3か月くらいから、羊水に浸み込んだ甘味や苦みを感じることができる。

■聴覚
4か月くらいから動き出す。24時間、母親の心音や消化器音に刺激を受けている。

■視覚
誕生後から動き始める。胎内は暗くて見る必要がないので、誕生後から6か月の間に急激に発達する。

一つ一つの感覚が、妊娠に気づく時期には『感覚の敏感期』が始まっていると知ると、驚きですよね!そしてまた、視覚の発達は誕生後からというのにも、深く納得しました。

『感覚の敏感期』にある子どもは、それぞれの感覚器官を刺激されることに大きな興味を抱きます。そして、その刺激を与えてくれるのは、子どもの身の回りにある環境。お母さんのお腹の中にいる時は、自分の体と羊水や子宮の壁。胎児の期間は、それらから刺激を受けています。

感覚の敏感期の姿

では、誕生後の子ども達は、どんなものに興味をもっているのでしょうか。

◆お散歩をしている時に、コンクリートの壁やフェンスなどを片っ端から触りながら歩く。
◆匂いを嗅いだだけで、誰の持ち物かがわかる。
◆大人には見えないうちから、「ヘリコプター!」と言って空を見上げる。
◆お味噌や出汁を変えただけで、違いに気づく。
◆風に揺れるカーテンをじーっと眺めている。

こんな子どもの姿を見たことありませんか?それぞれの感覚に対して、子ども達の姿を例に挙げてみました。
感覚というのは、その人自身が感じることなので本来は言葉で伝えてもらわないとわからないものです。しかし、感覚の敏感期にいる子どもは、その感覚刺激を面白いと感じると、必ず目に見える行動で現わしてくれます。このような行動を通して、無意識に、正確な情報をとらえることのできる感覚器官を形成しようとしています。

私は子どもを観察している中で『感覚の敏感期』の姿を見つけられると、ラッキー♪と思ってニヤニヤしてしまいます笑。
ぜひ、皆さんも『感覚の敏感期』探し、やってみてください。

まとめ

今回は、感覚教育の背景にある 『感覚の敏感期』 についてお話ししました。生まれたばかりの赤ちゃんの目はほとんど見えていないと知ったり、子どものちょっと不思議な行動が『感覚の敏感期』の姿だと思うと、子どもをもっと観察したくなりますよね~。

『感覚の敏感期』には2つの側面があって、それぞれの時期によって用意する環境やおしごと、大人の関わり方が変わってきます。次回は、このことについてお話していきます。

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