「生涯にわたる自立とは?」ジュディ先生講演会参加レポート!

自立(モンテッソーリ教育) 2*ゆかりせんせいのコラム

あきる野モンテッソーリトレーニングコース主催、ジュディ・オライオン先生の講演会にオンラインで参加させていただきました♬会場に40名、オンラインで100名以上の方が参加されていましたよ。
ジュディ先生と通訳の深津高子先生には、(私の記憶が正しければ・・・)確か8年くらい前に講演会でお会いしたっきりでしたので、お二人が並んで話されているのを見られて嬉しかったです。

今回の講演テーマは「生涯にわたる自立とは?」です。講演の内容をノート8ページもメモしたので、ここでちょっとだけシェアします♬ 【2024.5.26】

自立とは?

自立とは、生涯にわたる人間が持つ能力!赤ちゃんが自ら乳首をくわえようとすることから始まり、老いて息を引き取る時まで続きます。自立は依存することから始まります。誕生後の赤ちゃんは、自分自身を母親の一部だと思っていますが、6~8週目くらいに母親と自分は別の存在だということに気づき始めます。授乳中に母親の顔しか見ていなかったのが、その頃から周りの音が気になって飲むのを止めたり、顔を向けようとします。母親という唯一無二の環境から、外界、環境(社会)に向かうようになるのです。

人間の自立には4つあります。身体的自立、情緒的自立、知的自立、経済的自立です。

身体的自立(身辺自立)

自分で自分の世話をすること、食事、着替え、片付けなど、身の回りのことを自分でできるようになることが身体的自立です。自分の手で食べ物をつかんで食べようとすることから始まり、手や体の発達と共に、できることが増えていきます。“自分で!”と主張始める頃、一つ一つに時間がかかるのだけど、大人は忙しいから、手を出してしまう。そうすると、自分でやりたい子どもは怒り、朝からお互い嫌な気持ちで一日をスタートすることになってしまいます。だから、十分に時間を与えましょう。
ジュディ先生とお孫さんの話で、靴下を自分で履こうとするけれど、難しそうだったし急いでいたから、手伝おうとしたら「MyWork!」と言われたそうです笑。4回くらいこのやり取りをした後、準備ができたら玄関に来るように伝えたら2分で来たとのことで・・・。自分が自立の邪魔をしていたと思ったとおっしゃっていました。

情緒的自立

最初に出会った一人の大人(多くは母親)との愛着関係を結び、依存することから始まります。身体の発達と共に、さまざまな運動ができるようになると、自分に自信を持ちます。そうすると、ほんの少しなら愛着関係を築いた大人がいなくても大丈夫と思えるようになるのです。保育園などに預けられる時、「子どもとの約束を必ず守る」ことで、情緒的自立を助けることができます。「おやつを食べたらお迎えに来る」この約束を、毎日きちんと守られる経験が、環境への信頼、そして母親がいなくても大丈夫という自分への信頼に繋がっていきます。
5・6歳には環境と自分への信頼ができ、小学生になると情緒的な自立が確立されている状態にありますが、それを理解できない大人中心の小学校だと、できないことを指摘され、どれだけ頑張ってもまだまだだと言われることをくり返すうちに、強い者や教師に依存する子どもになってしまいます。
思春期は、情緒的な自立を維持するのが難しくなる時期。この頃、自立をサポートしてくれる存在は“友達”です。家族から愛され受け入れられていることを前提として、友達の影響でやったことないことをやってみたり、家族の理解できない判断をしたりして、自分を探求し始める。それを否定し続けられると親子のバトルが勃発する。

知的自立

知的に自立している人とは、自分が知っている情報を使って、もっともよい決断ができる人のこと。このような人は簡単に他人に左右されず、自分の決断に自信があるが、他の人のアイデアを尊重したり意見の違いも楽しむことができる。
6歳までの乳幼児期は、目に見えること、起きた事実を情報として取り込むから、ファンタジーよりも現実をたっぷり与える必要がある。6歳以上、特に小学生はそれまで溜め込んできた知識をもとに、推測する力とイマジネーション、それに理由付けする脳(思考)を使って、さらに知識を広げていくことで良い決断をするようになる。モンテッソーリ教育には、文化教育があるが、マリアは「文化=人類が作ってきた多様な知識」と言っている。小学生の時期にこの、文化の種をできるだけたくさん蒔く必要があると言っている。目に見えない部分、内部に興味を持つ。この好奇心を受け入れてくれる環境が必要。
小学生の特性は、群れること。仲間とプロジェクトをすることが知的自立を助けてくれる環境であり、好奇心を受け入れられる環境が必要。
友だちとこそこそ計画を立てて実行してみたり、自分に課題を与えてそれをクリアすることが楽しいというのは、私にも心当たりがあります笑。○回できるまで!とか、何かを熱心に調べてノートにまとめたり、常に何か目標を持って生きていたいた気がします。

経済的自立

おこずかいを使って、小さな経済的自立を助けます。自分が持っているお金を①使うspend、②貯めるsave、③寄付するshere、この3つのどれに充てるかを一緒に考えることから始めます。成長・発達とともに、もらう金額も増えるかもしれませんが、支払う範囲も増えていきますが、次第に予算を立てて使うということも学んでいきます。思春期には、人間の幸せはお金が最も大事なのではないということを、伝えていかなくてはなりません。当然のことながら、共に生活する私たち大人のお金の使い方も学びの対象です。
最終的には自分が好きな仕事を選んで、お金を得ることでそれを使って生活することが経済的な自立といえます。

自立を邪魔しないで!!

マリアは「すべての不必要な手助けは、自立の邪魔となる」と言っています。自立を邪魔されると、強く外交的な子は癇癪を起して暴力的になり、内気な子は諦めて自分で決めることをしなくなる。強い反応を示す子に目を向けがちだが、一見穏やかで人に譲ったり、意見に流されてしまう弱いタイプの子にも注意が必要です。大人は決して邪魔をしようとしているのではありませんが、子どもが“自分で”しようとする時、本当にその手助けは必要なのかと考えて見る必要がありますね。

高齢者に対しても同じことが言えます。子ども達の自立をサポートするのと同じように、高齢者を観察して、何ができるのか、どんな環境が必要なのか見極める必要があります。そして、子どもが“自分で!”と主張している時と同じように、時間をたっぷり用意して、長い工程のある作業は分解して小さなステップにします。「すべての不必要な手助けは、自立の邪魔となる」のですから、やってあげるのは簡単ですが、できることを「やらなくていいよ」と手伝いすぎるのは、自立の邪魔となります。

感想

私は普段、命の始まりにいる小さい人達の自立については良く考えていますが、命の終わりまで“自立”が続くと考えたことがなく、大きな気づきとなりました。自立は生涯続く能力、その基礎を築くのはやはり乳幼児期の身辺自立からということは、モンテッソーリ教育の5分野にあるように「日常生活の練習」という分野が、“自立”という側面からも極めて重要だということがわかりました。

この投稿は、学んだことをすぐにアウトプット!を目的に記事にしています。アーカイブ配信もあるので、じっくり聞いて、今後の講座やブログの投稿に活かしていきたいと思います。※ほいくのたねサロンメンバーには、特別に講演のメモをシェアする予定です。

今回、広くモンテッソーリ教育を愛する者に学びの機会を与えてくださった、あきる野モンテッソーリトレーニングコースさま、ジュディ先生、深津先生に感謝申し上げます。

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