みなさんの園は、どんなクラス編成で保育をしていますか?年度末が近づいてきて、来年度の保育について検討している園も多い時期ではないでしょうか。そこで、今回は【たてわり保育とよこわり保育どっちがいい?】問題について考えてみたいと思います。
私は、二つの園で働いた経験があります。一つ目は、完全によこわりで一斉保育の園。もう一つは、異年齢児保育(たてわり)で、モンテッソーリ教育の保育園です。両方の園で働いたからこそ、それぞれのメリットとデメリットがあると感じています。年度末が近づいてきて、来年度の保育について考える今の時期だからこそ、このテーマについて考えたいなと思いました。ぜひ、みなさんも一緒に考えて見てください♪
よこわり保育のメリット&デメリット
よこわり保育とは、子どもたちを生まれた年で区切って、同学年・同年齢の集団として保育すること。今も多くの保育施設で取り入れられている方法です。
【メリット】
・発達や理解度がある程度同じ集団なので、まとめやすい。
・学びの効率が良い、教えやすい。
・興味の幅もある程度同じなので、計画を実行しやすい。
【デメリット】
・人間関係やキャラクターが固定化される。低月齢児はいつまでたっても低月齢児。
・個ではなく集団での見方になりがち。
・1年で区切られた計画やカリキュラムで、育ちの見方がぶつ切りになりやすい。
たてわり保育のメリット&デメリット
たてわり保育とは、異年齢の子どもたちを一つの集団として保育すること。モンテッソーリ教育をはじめ、子どもを主体とする理念を持った保育施設で導入されることが増えてきている。
【メリット】
・学年意識が薄れることにより、個を見ることができて、発達の連続性を捉えやすい。
・学年で区切らないことで、幅広い興味に対応でき、個々の育ちに合った学びの場を提供できる。
・違いのある子ども同士の関わりにより、情緒面のより良い育ちが期待される。
【デメリット】
・発達や理解度にばらつきがあるため、集団としてはスムーズにいかないこともある。
・発達に応じた配慮や援助が必要。
・幅広い年齢の子どもを対象とした保育をするので、より高い専門性が求められる。
モンテッソーリ教育の考え方
モンテッソーリ教育は異年齢児保育(たてわり)を基本としています。モンテッソーリ教育の目指すところは“平和教育”異年齢児保育(たてわり)によって、年齢、背丈、興味の対象など、さまざまな違いを当たり前に受け入れることのできる人になる最適な環境となります。同学年の子どもだけの集団は、違いを受け入れることよりも競争意識の方が働いてしまいがちになる傾向が強いのです。
また、効率よく子どもたちに何かを教えたり経験させたりすることよりも、環境を通してそれぞれの子どものペースで学んでいくこと重要視しています。そのために、敏感期や興味関心に合った環境(おしごと)を用意するのですが、異年齢児保育にすることで発達の連続性をとらえた環境を用意することができます。学年ごとに区切られた保育でモンテッソーリ教育をやるのは、かなり難しい。さらに、おしごとのやりかたや生活の中での準備の仕方など、大人が全てを子どもに教えるのではなく、子ども同士で教え合ったり助けあいながら、自立して過ごせるようになることを理想としています。
両方を経験したうえで、私のおすすめは
両方の保育を経験したうえで、私は「異年齢児保育(たてわり)」の良さを実感しています。もちろん、最初はよこわり保育の経験しかなかったので、戸惑いもあったし、違う学年の子どもを一緒に見るなんて無理でしょ?という考えの持ち主でしたので、思考を変えるのには苦労しました笑。
でも、ここまでお話してきたように、自分の苦労よりも子どもたちにとってもメリットの方が大きいことがわかったので、今は異年齢児保育がいいな~と思っています。具体的なエピソードなど、もっとお伝えしたいところですが、それはまた後々にでも・・・
とはいえ、同学年だからこそできる経験もあると思っている派なので、両方の良いところを上手く取り入れた保育ができるといいなと思います。私も先生達と試行錯誤しながら、程よいバランスを見つけてきました。
たてわり保育とよこわり保育、結局どっちがいいの??
「たてわりとよこわりは、どちらがいいのでしょう?」と聞かれたら、答えは「どちらでもよい」と思います。私が異年齢児保育をおすすめしているからって、よこわり保育を否定しているわけではないんですよ。ご自身の園が目指す保育、理念に基づいて適切な方を選べばいいのではないかなと思っています。でも、「この園はずっとよこわりだったから」という理由だけで決めないでほしいし、「たてわり保育が流行っているから」という理由で導入しないでほしいということ。どうしてそのようなクラス編成を選択しているか、すべては説明できる必要がありますので、一度よく考えてみてほしいというお願いでした。
疑問、質問はお気軽にどうぞ!
ここまで読んでいただいていかがだったでしょうか。もし、この記事を読んで「たてわり保育」を導入してみようと思った方がいれば、どの学年を異年齢児保育にするのか、担任は?とか、具体的にどうすればいいの?という疑問が生まれたと思います。そんな時は、どうぞお気軽にご連絡ください。ご希望があればスライドを使った説明もできますし、園でどのように移行していくのが良いのか、先生達への理解を求める研修などもお手伝いできます。実際に、昨年度からお手伝いさせていただいている園での、子どもたちや保育士の変化などの事例もお話したいと思います。(今後のインスタライブなどでもお話することがあるかもしれませんが笑)
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