その時その子の『敏感期』に合った環境を作りましょう♪

モンテッソーリ教育 ①『実践理論』モンテッソーリ教育とは?

自己教育力は、子ども自身が自分に必要な力を知っていて、それを獲得するために身のまわりの環境に自ら関わることで発揮されます。そして、その環境を用意するのは大人の役割です。

それでは、どんな環境が子どもの身のまわりにあるべきなのでしょうか?

『敏感期』という特別な時期

その時その子の『敏感期』に合った環境が理想的です。

『敏感期』とは、子どもがある能力を獲得しようとするとき、環境の中からその能力を獲得するために必要なものを選ぶことができる。そして、その能力をいとも簡単に習得してしまう時期のことを言います。この時期は、ずっと続くわけではなく、その能力を獲得してしまうとまた次の対象へと移り変わっていきます。

とってもわかりやすく言うと、「その時その子が興味・関心を強く示す対象があって、その対象はできるようになったり興味を持たなくなると、次々と移り変わっていくよ~」ということです。

例えば、つかまり立ちを始めた赤ちゃんが何度転んでも立ち上がったり、つかまれそうなものを見つける力が強く、棚でもパパの髪の毛でもママのスカートでもつかまれそうなものを見つけるとすぐに立ち上がろうとする。でも、歩けるようになると、つかまれそうなものには全く興味を示さなくなります。

大人も自分が興味があることに関しては、とことん調べたり練習したり、何時間も費やしたりしますよね。でも、飽きてしまうとぱったりやらなくなって、次のものに気持ちが向くようになります。
大人のそれよりはもっと強烈なエネルギーではありますが、このようにイメージしていただくとわかりやすいと思います。だから、よく子どもに対するイメージで「あきっぽい」と言われることがありますが、それは当然のことだとも思えます。

『敏感期』という言葉は、もともと生物学者のド・フリースという方が使った言葉です。生物学的に言うと、生き物が特定の機能や能力を身に付けるために必要なことに対して、強い感受性が現れるという大切な時期が敏感期です。その一つの目的が無事に果たされると、別の感受性がとってかわり、以前の感受性は消えてなくなります。

さまざまなことに対して敏感期が現れます

乳幼児期に現れる敏感期は、社会の一員としてで生きていくために必要な力に対して現れます。特に乳児期(0~3歳)は、生まれてからの世界で人として生きるために必要な力を身に付けるために敏感期が現れます。例えば、人間ですから二足歩行(歩く)できる必要がありますし、言葉は、人間がコミュニケーションを取る上で必要ですよね。

乳幼児期(0~6歳)に現れる敏感期

○言語の敏感期
○秩序の敏感期 
○運動の敏感期
○感覚の敏感期
○小さいものへの敏感期
○数の敏感期
○文化の敏感期
○礼儀と作法の敏感期
(※詳しくは、次の記事でご説明します)

敏感期が現れる順序は、だいたい決まっています。

マリア・モンテッソーリをはじめ、モンテッソーリ教育を実践してきた方々が、たくさんの子どもを観察する中で、だいたい○歳○ヶ月くらいにこの敏感期が現れるなという期間の目安を示しています。

ですので、保育の勉強をした方や子育てを経験されている方なら一度は見たことがあるであろう、発達表と似たようなものがモンテッソーリ教育にも用意されています。

敏感期に合った環境を用意するとは

つまり、○歳○ヶ月くらいにこの敏感期が現れるということがわかっているので、それの合わせた環境を用意することができるのです。
保育園などたくさんの子どもが一緒に生活する場では、そのお部屋にいる子ども達の月齢の幅に合わせて、幅広いお子さんの興味に合うように用意すればよいということです。

発達にも個人差があるように、敏感期が現れる月齢も期間も、子どもによって違います。あくまでも目安として捉えましょう。

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乳児期(0~3歳)と幼児期(3~6歳)に分けて、その時期に現れる敏感期を紹介していきます。

コメント

  1. 夏令震 より:

    はじめまして。夏令震と申します。
    52歳で、久しぶりに保育の現場に戻りました。
    昔とは違い、子供がはしゃぐ姿はあまりありません。先生が「小さな事でね、静かに」とずーっと仰っておられるから、子供たちは、小さな教室でただただ黙々と教具に触れています。
    中には教具に興味を示さない子もいて、そういう子は特に先生が何かをする訳でもなく、お仕事の時間中教室の隅で2から3人でお話しをしています。

    私はモンテッソーリ初心者だから、上手く子供に提示したり出来ていませんが、勉強中です。

    一つ質問ですが、うちの園では教具の場所や机、椅子の場所って、かなり短いスパンで変えられてますが、これって普通ですか?1日の中でも、おやつ、給食、午睡の度に全ての物が移動します。
    4から5日くらいで、教具の場所が変わったり、0歳児が口に入れると危ないからと、ハサミ、針、ひも通しなどは、棚から外されます。

    • yukari より:

      はじめまして。
      コメント、ありがとうございます!

      モンテの園にお勤めなのですね。特におしごとをしている時間は、他のお友達のおしごとを邪魔しないように、大人も子どももあまり大きな声では話さないようには伝えています。ただ、おしごとに興味を持てない子の中には、何を選んだらいいのかわからない子もいますから、そういう子には大人が誘ってあげることでその子に合ったおしごとに出会えるように援助する必要はあると思います。
      ご質問についてですが、モンテッソーリ教育の環境設定としては、いつも同じ場所に同じものがあるのが理想的です。
      ただ、保育園や幼稚園のように一つのお部屋の中で食事も睡眠も行うような環境ですとそれは難しいので、食事の時はこの設定と変化するのは仕方ないかなと思っています。おしごとをする時には、いつも同じ位置に同じものを戻してほしいですね。
      0歳児クラスでは、私もハサミや針などは設定しません。0・1・2が一緒に過ごしているお部屋でしょうか?それでしたら、2歳児が使う時だけ出すような工夫をするのはいかがでしょうか。

      • 夏令震 より:

        お返事、ありがとうございます。
        うちは小規模保育園で、0から3才までいます。
        小さな保育室ですから、お仕事の時間以外はお布団を敷いたり、お給食の時は班を作ったりするので、どうしても机の移動をしなくてはなりません。
        それは仕方ないかなと思いますが、教具の位置を変える必要があるのか、と思いました。
        リーダー先生は、子供の年齢や興味のある子が見やすい位置だったり、つかまり立ちの子もまだいるから、危ない物は撤去します。
        静かにする、興味のない子に興味を沸かせる様なお仕事を提示する。
        お仕事の時間は、必ずしもお仕事をしなくてはいけないのでしょうか?
        多動や物に対する興味がない子、身体を動かしたい子には、何を提示したら良いのでしょうか?

  2. […] ・・・・・・・・・・『敏感期』について詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください♬https://montessori-hoikunotane.com/sensitive_period_classroom/・・・・・・・・・・ […]

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