誕生後からの最大のミッションは思い通りに動かせる体を作ること!ということで、粗大運動と微細運動について、それぞれの発達やそれに応じた環境について【運動論】としてご紹介してきました。
誕生後からさまざまな動きを獲得してきた子どもたちは、その獲得した動きを使ってさまざまなおしごと(活動)に取り組むようになります。この動きの獲得を含めた活動分野を、モンテッソーリ教育では“日常生活の練習”と呼んでいます。
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➡ カテゴリー②【運動論・日常生活の練習】
“日常生活の練習”とは
【運動の敏感期】を背景(根拠)とし、日常生活で必要なさまざまな動きや作業を、おしごと(活動)として環境に用意することで、楽しみながら獲得していこうという分野です。0~3歳くらいまでは、動きそのものの獲得が主な内容でしたので、「落とす」「すくう」「切る」「通す」などの簡単なものでしたが、3歳以上になると「縫い刺し」「機織り」など複雑な動きや時間をかけて行う作業も増えてきます。その活動の中には、洗濯板を使った“洗濯”というおしごとや、ほうきとチリトリを使って“掃く”というものもあります。今は優秀な電化製品が増えて、大人の生活では身近でなくなってきたものや動きが、子どもたちにとっては魅力的な動きだったりします。そういったものもあえて活動として用意しています。
さらに、人間社会の中で相手と良好な関係を築くためのマナーや振る舞いなどもおしごとに含まれているというのが、面白いなぁと思います。具体的な活動の内容も、後々ご紹介していきます。
日常生活の練習の目的
まずは、この活動分野の目的を見ていきましょう。日常生活の練習という分野に取り組むことで、子どもたちにとってどんな良いことがあるのか、“育てたい子ども像”のようなものだと思っていただければと思います。
“日常生活の練習”には、大きな目的が二つあります。
【1】運動の完成
1つ目は肉体的な面です。運動の完成、つまり“自分の意志通りに動く身体を作ること”です。運動の敏感期にいる子どもは、どう動くかに強い興味を持ちます。この、動きに興味を持つ時期に、適切な方法で動きを見せることで、簡単に獲得することができます。
【2】自立心・独立心
2つ目は精神的な面です。動きを身に付けると同時に、自分でできることが増えていきますよね。そうすると、単純にできることが一つずつ増えて、自立に向かっていきます。自分でできる!という自信が自立心や独立心を育てることになります。
おまけに、日常生活の練習に取り組むことで、人格形成に必要な理解力・行動力・意志力・集中力・社会性を養うことにも繋がります。つまり、日常生活の練習という分野に取り組むことで、何かができるようになることだけでなく、内面的な育ちも期待できるということです。
0~3歳の日常生活の練習の目的
上記でお伝えしてきたのは、“日常生活の練習”という分野そのものの目的になります。ただ、0~3歳の吸収する精神の時期にいる子どもたちには、さらにこのような目的が加わります。
それは【環境への適応】です。日常生活を送っている、この環境に適応することが目的となります。家族や保育園等、そのコミュニティの一員として生活に参加できるようになることです。だから、例えばテーブルに水をこぼした時に、大人がササっと拭いて終わり!ではなく、「こぼれたから一緒に拭きましょう」と言って、一緒にやってみることが生活に参加するということです。
まとめ
日常生活の練習という分野は、モンテッソーリ教育専用の教具がなくても取り入れることができるという点が大きな特徴です。ご家庭でも“台所育児”と題して取りいている方がたくさんいらっしゃいます。それくらい、生活に密着した活動分野なのです。
専用の教具はいりませんが、この環境を用意するには、しっかりした知識が必要です。環境を用意するために知っていて欲しい、運動の敏感期の2側面について次回ご説明していきますね。
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