3~6歳児の菜園活動【モンテッソーリ教育を取り入れる】

トマトの栽培 2*ゆかりせんせいのコラム

0~2歳児に引き続き、3~6歳児の菜園活動について書いていきます。

3~6歳児の菜園活動は、どんな目的で行っていますか?私自身は何より「収穫した食材でクッキングすること」を目的として菜園活動を行っていました。ですから、子ども以上に子どもたちが調理できるくらい立派な野菜を作るのに必死でした。どうやったらたくさん取れるのかを必死に調べたり、農家をやっていた祖母に相談したりしていました。途中経過よりも結果にこだわっていたというと、わかりやすいでしょうか。

3~6歳児のモンテッソーリ教育分野

3~6歳児になると、0~2歳児から行ってきた手を使う活動『日常生活の練習』と、五感を使った活動『感覚教育』を土台として、知的教育分野と呼ばれる、『言語教育』『算数教育』『文化教育』という分野を行うことができます。

0~2歳児の時には”なんとなく”わかっていた違いや感覚的な印象、様々な経験を数字や言葉に変換して整理していくようになります。さらに、“もっと知りたい”という知的好奇心が強くなるので、目に見える事実のみならずその先にあることにも興味を持つようになります。

今回は、分野ごとに書いていきます♪

手を使う『日常生活の練習』

3~6歳児さんになると、種を撒いたり苗を植えて、植物のお世話や収穫するまでに必要な一通りの動きができるようになります。さらには、「切る」「皮を剥く」「揉む」「混ぜる」「炒める」など、クッキングに必要な動きにも挑戦することができますで、収穫した野菜を食べるための調理も楽しめるようになります。

五感を使う『感覚教育』⇒ことばや文字『言語教育』

0~2歳児の時に“なんとなく”感じていたことをことばや文字にしていきます。
きゅうりの表面を触って「チクチクしているね」「チクチクしているものを探してみよう!」とお部屋の中を探して集めてみる。

ことばや文字『言語教育』

これまで“ことば”与えてもらっていた「種(たね)」「苗(なえ)」「植える」などの、様々な名称や作業を文字に変換していきます。観察して気付いたことをことばや文字にします。
絵日記のように、

数や量『算数教育』

「シャベルと同じくらいの高さ」と比較して知らせていた高さを『○cm』と図って記録することができます。この時に、メジャーや定規の使い方を知ることができます。記録する時に、数字を書けないけれど読める段階の場合にはスタンプやシールを活用するといいでしょう。

苗の高さだけでなく、収穫した後はキュウリやトマトのサイズを測って見たり、はかりで重さを量って『○g』と示してみてもいですね。獲れたキュウリの数を毎日記録してみてもいいし、“数字によってさまざまなことを表すことができる”ことが理解できるようになっていきます。

さらに、感覚的に“こっちの方が大きい”“こっちの方が重い”と感じていた違いも、数字で明確に示すことができます。これにより、無意識に感じていた違いを意識的に理解できるようになっていきます。

理科や社会、その他様々な分野『文化教育』

“もっと知りたい!わかりたい!”そんな欲求が出てくるのも、3~6歳児ならでわですね。子どもたちの興味関心はぐんぐん広がっていきます♪そんな興味関心に対応するのが、『文化教育』という分野です。言語や算数以外の様々なことを対象としている分野です。

菜園活動を通して広がる興味や関心はこんなものがあります。
・葉っぱに絵具を塗ってスタンプしたり型取りして作品作りや、観察して絵を描く(美術)
・花を分解して、がくや花びらなどの部分名称を知る(生物)
・野菜の分類や、その野菜の品種やその野菜の歴史など(植物学?)
・生産地や生産量など(地理)
・水分量とか電気が流れるとか、アルカリ性とか(科学)
・トマトに含まれるリコピンなどの栄養素(栄養学)
・海外ではどのように呼ばれて、どのように食べられるのか(文化)

小学生の自由研究にも活かせますね☆

トラブル発生時こそ学びのチャンス!

菜園活動をしているとさまざまなトラブルも発生しますよね。例えば、ツルや茎が伸びすぎた!とか、花は付くのに実がならない!とか、ゴーヤがオレンジになった!とか・・・笑

そんな時こそ学びのチャンス!大人が問題に気づいていて、原因もわかっていたとしても、あえて子どもに気付かせてあげたい。せっかくだから、解決策も一緒に考えましょう♪近所の農家さんや家庭菜園をやっている職員や保護者に聞くとか、図鑑などを使って調べるとか、今だったらインターネットで検索するというのもアリかもしれません。とにかく、何かに気付いて問題を定義し、解決策を見出すまでを経験する絶好の機会として大事にしたいと思います。

まとめ

菜園活動は、“育てて食べる”食育の要素はもちろん、育つまでの過程において様々な経験ができる素晴らしい素材だと思います。3~6歳になると社会性も発達してきますので、お当番活動で水やり担当を決めるなどすると、責任感なども育つ機会となります。

この機会をフル活用して、子どもの経験をより豊かなものにできたらいいなと思っています🌱

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