【感覚教育⑦】“感覚教具”の秘密、教えます!

ピンクタワーと男の子 ③『感覚教育』

前回【感覚教育⑥】は、感覚教育の目的をお伝えしました。
1.感覚器官の洗練
2.感覚体験の整理
3.物事を考える方法の獲得

この目的の背景にあるのは、“感覚の敏感期”や“知性の芽生え”といった子どもたちの姿でしたね。そんな子ども達が感覚教具に興味を持つ秘密を教えちゃいます♡

感覚教具について

まずは、感覚教具についてのお話。

モンテッソーリ教育では、感覚教育以降で使用する専用の道具のことを教具(きょうぐ)と呼びます。教具は玩具とは違い、子ども達の成長発達を助けてくれるものであり、教具が子ども達を教えるという意味があります。
私が学ばせていただいた、日本モンテッソーリ教育綜合研究所では感覚教具は全部で21種類とされています。※学ぶ団体や国によって、多少違うと思います。

資料『感覚教具の種類』pdf
https://drive.google.com/file/d/1D7F5qNu6gweTYwng-RjXYeboijIgFd7J/view?usp=share_link

感覚教具の秘密①ピンポイントで五感を刺激

感覚の敏感期にいる子どもは感覚を刺激されることに興味を持ちます。『感覚教具の種類』を見てもわかるように、それぞれの感覚をピンポイントに刺激するために、感覚教具には『性質の孤立化』という特性があります。

ピンクタワーは視覚の教具です。10個の立方体で1㎝ずつサイズが変化する10個の立方体ですが、なぜピンク一色なのでしょう?カラフルだったらもっと可愛い気がしませんか?その理由は、視覚で『大きさ』の違いに気づくことを目的としているからです。カラフルだったら、色にも目が行ってしまい大きさに集中することができません。
それに対して、色板は色の違いに気づくために形や素材は同じで、色だけが違うように作られています。

このように、子どもに識別させたい一つの性質【大きさ、太さ、長さ、色、形 など】だけが強調されていて、その一点だけに集中できるようになっているというのが『性質の孤立化』です。一般的な玩具よりも、子どもが集中する姿を見られる秘密はコレなんです♬

感覚教具の秘密②抽象的な概念を体験できる!

【感覚教育⑤】の中でもふれましたが、感覚教具には『抽象的な概念が具体化されている』という特徴があります。具体とは感覚器官で感じることができること、抽象とは“ことば”を聞いただけでイメージできることと考えるとわかりやすいかと思います。

触覚板という教具は、感触(触覚)でザラザラ・ツルツルを感じて違いがわかるものです。このザラザラ・ツルツルという抽象的な概念を感覚教具で体験できるのが魅力。体験できるからこそ、ことばで「ツルツルだね~」と言われたときに、「あぁ、こんな感じね~」とわかるわけです。

感覚教具の秘密③P・G・Sの操作方法

【感覚教育⑤】で詳しく説明していますので、こちらをご覧ください♬
https://montessori-hoikunotane.com/sences_pairing-grading-sorting/

このP・G・Sの操作方法が、全ての感覚教具に含まれていますので、感覚教具を行うだけで、知性をたくさん働かせることができます。

感覚教具の秘密④誤りは教具が教えてくれる!

モンテッソーリ教育の大事な考え方の一つに『誤りを訂正するのは、教師(大人)ではなく、子ども自身である』というものがあります。

円柱さしという教具は、10個の円柱と穴をペアリングするおしごとです。間違った穴に円柱を入れてしまうと10個全てが収まらなかったり、高さが均一になりません。このように、大人が「ここ違うよ!」と言わなくても、間違えを教具が教えてくれるというのが『誤りの訂正が含まれているものがある』という、感覚教具の特徴の一つです。これによって、子どもは大人に指摘されなくとも、試行錯誤しながら、くり返しおしごとに取り組むことができます。

感覚教具の秘密⑤美しくて魅力的

モンテッソーリ教育には5つの分野がありますが、その中でも感覚教育で使う教具が一番繊細に作られています。手作りするのが難しいと言っても過言ではないくらい、色や形、サイズや素材まで、感覚の敏感期にいる子ども達が興味を持つように魅力的に作られています。

まとめ

感覚教具の秘密として、感覚教具の特性をお伝えしてきました。
感覚教具は、子ども達の興味関心に貢献するために、使い方(提示)がちゃんと決められており、扱うのが「難しい」と感じる先生も多いと思います。私もそうでした・・・笑
でもまずは、この魅力的な教具にぜひ触れてみてください♬

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